『 青山キラー通り 』 （青山ベルコモンズの交差点付近⇒神宮前2丁目のビクタースタジオ前までの外苑西通り（環状4号） は、1964年（昭和39年）に 『東京オリンピック・サービス道路』 として、当初は各国の選手団やメディア関係者を羽田空港や東京駅から国立競技場まで円滑に移動ができるように・・・という目的で開通しました。

　いつしかここが 『 キラー通り 』 と呼ばれるようになった由来については、様々な説があります。

中でも以前、テレビ番組（いいとものテレフォンショッキング）で、コシノジュンコさんがゲスト出演した時に、『 昭和40年代初頭に私が最初のブティックをこの通り沿いにオープンした当時は、この道に名前が無かったからキラー通りと名づけた・・・』 。　と説明していたのがどうやら本説のようです。

近年では、2005年にサザン・オールスターズがキラー通りに面したビクタースタジオでレコーディングをしたことにちなみ 『キラーストリート』 というCDアルバムを発表したことでも注目されました。

　ここキラー通りに面した神宮前2丁目3番地付近は渋谷区の北東の端に位置しており、半径100メートル内に港区と渋谷区と新宿区が隣接する場所です。 細い裏通りに入れば、古いお寺や、今はなき渋谷川（隠田川）（下図参照）の橋跡など、また原宿一丁目（今の神宮前2丁目）や、赤坂青山北町（今の北青山）の街並みの面影や、かつては東京オリンピックの聖地でもあり、宿舎が建ち並んでいた新宿霞ヶ丘町のノスタルジックな街並みも残っています。

≪マメ知識≫

内堀通り（環1）、外堀通り（環2）、外苑東通り（環3）、外苑西通り（環4）、明治通り（環5）、山手通り（環6）、環状7号（環7）、環状8号（環8）。

つまり環7と環8にはまだ名前がないままなのですね。

参考までにオー･ローズ ファニチャーのショップ前というのは、かつては渋谷川が流れており、東京オリンピック開催の前年にあたる昭和38年にキャットストリートから
新宿御苑までの全ての川筋に大きなマンホールが埋められ、現在では暗渠（※）となって下水道になっているとのことです。

今でもここだけ歩道の幅が広くなっているのは、その頃に渋谷川がここで大きくうねっていた名残りで、昔はここを小橋で渡っていたのだそうです。

葛飾北斎の歴史的な名作版画シリーズ 『 富嶽三十六景 』 の 青山 円座の松 は、オー・ローズ ファニチャーの裏手の勢揃坂に面した龍巌寺の境内に存在した松の名木が描かれたものです。

また同シリーズの 隠田の水車も、ここから程近い神宮前3丁目付近にあった渋谷川の水車小屋を描いた言われています。

ご興味いただけたお客様は、gooマップの古地図の昭和22年と昭和38年の航空写真や昭和初期の地図などを参考にご覧になってみてください。

そして、ぜひここへ来て渋谷の本来のすがた、リアルな原宿（神宮外苑）をお楽しみください。